こんにちわ!産婦人科医のとんたんです。
昔から胎教って良いって聞くけど、実際のところ科学的にどうなの?
胎内教育は実際のところ、赤ちゃんが賢くなって生まれるとか情緒が安定している子どもになって生まれるということは言うほどは期待できないけど、ママのメンタル面へのプラス効果が期待されているんだ。
胎教にはモーツァルトを聞かせるってはやった頃があったよね。
モーツァルトの曲は癒しの効果があるα波を出すとか言われていたけど、果たしてママのどれくらいがモーツァルトの曲が好きなのかというところから検証しないとね。
妊娠中にとても気になる胎教ですが、何をどこまですればよいのでしょうか?
目次
胎教とは

胎教の歴史は今から約2,200年以上前に遡ります。
中国の医書「胎産書」には胎児の成長や妊婦の養生法が記されていていました。
胎教は子宮の中ですでに始まる英才教育の一種だと思っている人が多いと思います。
ひと昔はそうでしたが、現代の胎教は親子のコミュニケーションやママのリラックス効果を狙っていることが多いです。
胎教には絶対的な効果があるというエビデンスはありません。
現在では、胎教の目的は「出産前のママやパパと赤ちゃんの交流」だと考える人が増えていますよ。
胎教は効果はある?

胎教の効果については、赤ちゃんのの夜泣きが減る、感情の発達に影響する、赤ちゃんが子宮の中で聞いた音楽を覚えているなど、さまざまな説があります。
しかし、これらの効果は科学的に証明されておらず、ママさんたちの間でも効果があったとかなかったとか意見は分かれています。
胎児の脳機能や記憶の分野は未知数な部分が多く、胎教の効果に関する科学的根拠も乏しいため、まだまだ分からないことが多いといえます。
こうした背景から、胎教の主な効果は、親子のコミュニケーションを通じて愛情を育むこと、一緒に穏やかな時間を過ごすことで母親のストレスを軽減することと認識されるようになりました。
・赤ちゃんに話しかけることで、赤ちゃんは母親や父親の声を覚えて好むようになり、親子の絆が深まります。
・母親がリラックスして落ち着いた気分になることで、胎児の心拍数や感情も安定します。
・母親や父親は「親になる」ことを自覚し、赤ちゃんへの愛情が深まります。
妊娠5ヶ月頃から赤ちゃんの脳や五感が急速に発達しますが、中で最も発達が早いのが触覚です。
お腹を触ることで、ママの手の温もりが赤ちゃんに伝わって赤ちゃんにとって良い刺激になりますし、ママの気持ちがお腹の中の赤ちゃんに伝わります。
妊娠中にママが落ち着いていれば、赤ちゃんも落ち着いていられるね。
胎教を始めるべき時期

胎教はいつからでも始められます。
妊娠がわかってすぐに始める人もいれば、胎動を感じ始めたら始める人もいます。
働くママは産休に入ってから始める人が多いようです。
胎教を始めるのに最適な時期は妊娠7ヶ月頃です。
赤ちゃんの聴覚器官は妊娠16~20週頃から発達し始め、26週頃には羊水の水音やママの心臓音だけでなく、外界の音まで耳で捉えた振動を音として認識できるようになります。
胎教をおすすめする理由の一つは、妊娠7ヶ月ごろから胎動を感じ始めるママが多いからです。
胎教に赤ちゃんが反応してくれると、胎教がより楽しくなってママの胎教モチベーションも上がります。
ママ・パパの声などに反応することもあるので、胎動という形で赤ちゃんの反応も見られるこの時期は、胎教を始めるのにぴったりの時期です。
胎教の正しい方法

胎教に取り組むこと自体がママのストレスになってしまっては意味がありませんので、無理に続けないことが大切です。
ママやパパの声、聴かせたい音楽などが赤ちゃんにもよく聞こえるように静かな部屋でやるのが良いです。
赤ちゃんのために胎教をしっかりしなくてはいけないと考えすぎないように注意しましょう。
ママが感じるイライラやドキドキなどのストレスはお腹の中の赤ちゃんにとってよくないので、あまり神経質になりすぎないように♪
母親が緊張してドキドキしていることが胎児に伝わるメカニズムをお教えしましょう。
母親がストレスの多い状況に遭遇すると、視床下部から内分泌系に指令が送られ、交感神経系が優位になり、頻脈、瞳孔散大、血圧上昇などの身体症状が起こります。
同時に神経ホルモンの分泌が促進され、胎盤を介して赤ちゃんの体の化学変化を引き起こします。
これらの神経ホルモンは、特に赤ちゃんの視床下部と、視床下部によって制御される内分泌系および自律神経系に影響を与えてしまいます。
胎教に特別なルールはないので、リラックスしてお腹をなでたり、赤ちゃんに話しかけたりしてください。
話しかける


今日起こったことや、赤ちゃんが生まれたら何をするかについて話すのも良いでしょう。
赤ちゃんの名前や、お腹の中にいる間だけ使われるニックネームで呼ぶこともできますね。
お腹をなでてスキンシップをとる

上の子やパパも気軽に胎教に参加でき、家族とのコミュニケーションに時間を費やしてリラックスした時間を過ごすことができます。
赤ちゃんは子宮の中で成長し、妊娠7ヶ月を過ぎる頃に赤ちゃんのお腹を優しく撫でると、撫でたことに反応して動くことがあります。
スキンシップをすることで愛情ホルモンとも呼ばれるオキシトシンの分泌を促すので、お腹を撫でることで赤ちゃんは愛されていると感じます。
お腹を撫でる時は、必要以上に力を入れず、膨らんだお腹をさするだけにしてください。
パパや上のお子さんに胎教の一環としてお腹を撫でてもらうのもおすすめです。
好きな音楽を聞かせたり、歌を歌う

胎教で選ぶ音楽は、J-POP、ロック、クラシック、ジャズなど何でもいいです。
好きな音楽をかけてみてはいかがでしょうか?
胎教の記憶は科学的に証明されていませんが、胎教中に聴いた音楽を産後も好きでいる赤ちゃんもいると言われています。
産後も同じ音楽を赤ちゃんに聞かせてみてはいかがでしょうか?
普段聴いているポップス、ロック、ジャズなど赤ちゃんが一番好きな音楽を聞かせてあげるといいでしょう。
モーツァルトに限らず好きな音楽を聴いて楽しむのも、お腹の中の赤ちゃんにとって良い胎教になります。
大きな声で歌うと気分がすっきりすると言う人も多いですし、ママが楽しく歌を歌えばお腹の中の赤ちゃんもリラックスできます。
お母さんの気分転換にもおすすめです。
絵本を読み聞かせる

胎内にいる赤ちゃんに絵本を読んであげることも、胎内教育の一環として推奨されています。
心が落ち着き、元気が出るような本を選んでください。
赤ちゃんに読み聞かせるときは、まるで赤ちゃんに話しかけるように感情を込めて優しい口調で読むことが大切です。
キックゲームでコミュニケーションをとる

キックゲーム(お腹を軽くたたくと赤ちゃんが蹴り返す)は、やってみると思っていた以上に楽しいです。
しかし、赤ちゃんが動くのを感じてゲームを始めたものの、赤ちゃんがまったく蹴り返さないことに気付くと、心配になるお母さんもたくさんいます。
赤ちゃんが動くのを感じたと思ったら、赤ちゃんの手足がたまたま子宮の壁にぶつかって赤ちゃんがまだ眠っているだけかもしれません。
すぐに動きを感じない場合はあまり機にしないで様子を見るのが一番ですよ。
胎教グッズ

胎教グッズとして定番なのは胎教CDや読み聞かせ本です。
産後に活用するのもおすすめです。
マタニティ・オルゴール

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まとめ

胎教を行うのに特別な器具は必要ありません。
胎教は妊娠中に必ず行うべきというものではありませんので、考えすぎず、とにかく楽しく試してみてください。
音楽を聴いたり、赤ちゃんに話しかけたりすることは、赤ちゃんがリラックスして愛されていると感じるのに役立ちますので、自分のやれる範囲内で試してみてはいかがでしょうか。