妊娠は、命を育む素晴らしい体験だけど、体の変化に伴い、さまざまなマイナートラブルが起こることがあります。妊婦さんからよく聞く悩みやその解決法について、現場で接する現役医師の立場から解説したいと思います。
妊婦さんの中には、病院に行くほどでもないと考えて、マイナートラブルを我慢してしまう方がいるわよね。
妊娠中のよくあるマイナートラブルと、医師の視点からのおすすめの対処法を、実際の体験談とともにご紹介します。
インターネット上にはさまざまな妊娠・出産に関するトラブル情報がありますが、中には不確かなものや古い情報も混在しています。
現役専門医のとんたんブロクでは最新かつ医学的に正確な情報を得ることができます。
不安になりがちな妊娠中に安心して妊娠生活を送るためのヒントになれば幸いです。
妊婦さんの日常マイナートラブル体験談と解決法(トラブル別)
トラブル カテゴリ |
体験談(リアルボイス) | 工夫・対策 | 医師に相談の目安 | 起こりやすい時期 | メモ/注意 |
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つわり | 朝だけでなく一日中むかむか。歯みがきのミントや炊き立てご飯の匂いで悪化し、食べられるのは冷えた素うどんだけの時期がありました。 |
匂いトリガー回避(冷食・レトルト活用、調理は家族に依頼)。小分け補食(ゼリー飲料、クラッカー)。水分は経口補水液や氷で。朝は起き上がる前に一口。 |
少量なら様子見
体重減少が続く
水分も摂れない
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脱水に注意。ビタミンB6や点滴で楽になる場合も。臭い対策でマスクや換気を。 |
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腰痛・骨盤痛 | 長時間座り仕事で夕方にズキッ。寝返りのたびに恥骨周りが突っ張る感じで、朝起きるとロボットみたいにしか動けませんでした。 |
骨盤ベルトで支える。座面にクッション、30〜45分ごとに立ち上がりストレッチ。横向き寝+抱き枕。温め(過度はNG)。 |
軽度はセルフケア
痺れ/日常支障
転倒レベルの痛み
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無理は禁物。整体/理学療法は妊婦可の施設で。コルセットは医師の指示で。 |
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むくみ | 靴下の跡が夕方にくっきり。指輪が抜けなくなって怖くて外しました。朝は楽、夕方パンパン。 |
弾性ソックス、足上げ、塩分とりすぎを控える。こまめに歩く/カーフレイズ。湯船で温冷交代浴は温度差やり過ぎ注意。 |
左右対称で軽度
急な増悪/顔面も
頭痛や目のちらつき伴う
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高血圧症候群のサインに注意。急な体重増加や上記症状を伴えば受診を。 |
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こむら返り | 明け方にふくらはぎが「ギュッ!」とつって飛び起きる。翌日も筋肉痛のように痛むことがありました。 |
就寝前のカーフストレッチ、足首回し。水分/ミネラル補給。寝具で足先が反らないよう調整。 |
様子見OK
頻発/歩行支障
片脚の腫れ/熱感
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片側のみの腫れ・痛み・熱感・発赤は血栓の可能性に注意。 |
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便秘 | 2〜3日出ないとお腹が張って苦しい。硬くて切れ痔になりそうでトイレが怖くなりました。 |
水分・食物繊維(オートミール/果物/海藻)。朝の温かい飲み物。便意を我慢しない。医師の指示で緩下剤を使用することも。 |
生活調整で様子見
出血/痛み持続
激しい腹痛/嘔吐
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サプリ・下剤は自己判断せず相談を。いきみ過ぎは痔悪化の恐れ。 |
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胸やけ/逆流 | 少量でもすぐ胃が熱く、夜に酸っぱいものが上がって眠れない。揚げ物の後は特に辛い。 |
少量頻回食、就寝2〜3時間前は飲食を控える。寝るときは上半身をやや起こす。脂っこい/辛い物を避ける。 |
軽度は調整
体重減/摂食困難
強い胸痛/吐血
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安全な制酸薬が処方されることも。自己判断の市販薬は避けて相談。 |
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貧血 | 立ち上がるとクラッとする日が増え、階段で息切れ。検診でヘモグロビン低下を指摘されました。 |
鉄・たんぱく質を意識(赤身肉/大豆/小松菜)。サプリは指示通りに。食後すぐはお茶/コーヒーを控える。 |
症状+検査値低下
動悸/息切れ強い
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葉酸・鉄は過不足に注意。自己増量はしない。 |
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肌トラブル | 口周りの乾燥とニキビが増え、化粧がのらない。香りの強い化粧品は気分が悪くなることも。 |
低刺激保湿(ワセリン/セラミド)。シンプルな成分に切替。日焼け止めはノンケミカルを選択。 |
軽度は様子見
悪化/化膿
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アレルギー歴がある場合は早めに皮膚科相談を。 |
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睡眠の質低下 | 頻尿や逆流で細切れ睡眠。寝返りも辛く、昼間ぼーっとする日が続きました。 |
寝る前の水分調整、ブルーライト控えめ。横向き寝+抱き枕。昼寝は20分程度まで。 |
生活調整
不眠が長期
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睡眠薬は自己判断で服用しない。メンタル不調を感じたら相談。 |
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頻尿/尿漏れ | くしゃみや笑った拍子にヒヤッ。夜中のトイレが増えて睡眠の質が落ちました。 |
骨盤底筋トレ(ゆっくり締める/緩める)。日中に水分を分散、夜はやや控えめ。吸水パッド併用。 |
軽度ならOK
痛み/発熱併発
血尿/強い痛み
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排尿痛は膀胱炎の可能性。我慢せず受診を。 |
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息切れ/動悸 | 階段でゼーゼー。横になるとドクドクが気になって寝付きにくい日がありました。 |
姿勢を整え深呼吸。作業はこまめに休憩。貧血対策も並行して確認。 |
日常に支障
胸痛/失神感
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突然の強い胸痛・息苦しさは救急受診も検討。 |
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立ちくらみ/めまい | 朝のシャワーで視界が白く。ゆっくりしゃがむと回復するけれど怖い感覚でした。 |
急に立ち上がらない。朝食を抜かない。水分・塩分を適切に。長時間同じ姿勢を避ける。 |
一時的なら様子見
頻発/転倒リスク
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高温環境・入浴で悪化しやすい。無理をしない。 |
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頭痛 | スマホやPCで肩がガチガチになると締め付けるような痛み。寝不足の翌日に増えました。 |
こまめな休憩とストレッチ。水分・カフェイン量を見直し。冷感ジェルやツボ押し。薬は医師と相談。 |
長引く/強い
突然の激痛/視覚異常
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妊娠高血圧の兆候に注意(むくみ・視覚異常を伴う)。 |
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鼻づまり/鼻血 | 乾燥するとすぐ鼻がつまって寝苦しい。くしゃみで少量の鼻血が出ることも。 |
加湿、ワセリンで粘膜保護。強くかまない。就寝時の頭部挙上。持続するなら耳鼻科へ。 |
少量・短時間
繰り返す/多量
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血圧が高いと悪化することも。無理にいじらない。 |
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歯/口内 | 歯ぐきから血が出やすく、つわりで歯磨きがつらい時はデンタルリンスに頼りました。 |
吐いた直後はうがい→時間を空けて歯磨き。フッ素配合歯磨き。定期健診とクリーニング。 |
セルフケア可
痛み/腫れ
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妊娠性歯肉炎に注意。鎮痛薬・抗生物質は必ず相談。 |
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かゆみ | お腹の皮膚が張ってかゆい。爪で掻くと余計にヒリヒリしてしまう。 |
低刺激保湿、ぬるめの入浴。掻破防止に冷やす。広範囲/強い場合は皮膚科で外用薬。 |
軽度は様子見
広範/蕁麻疹
黄疸/濃い尿伴う
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肝機能異常が隠れる場合も。夜間増悪は相談。 |
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おりもの増加 | 量が増えて不快。下着が湿って冷える感じが気になりました。 |
通気性の良い下着、こまめに交換。におい/色が気になる時は婦人科受診。 |
透明〜乳白色
黄緑/かゆみ
水様で持続/大量
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破水の可能性は早めに相談。自己判断の膣洗浄はNG。 |
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痔/静脈瘤 | 便秘でいきむと肛門がズキッ。立ち仕事の後は外陰部の血管が浮き出る感じに。 |
長時間同じ姿勢を避ける。便通改善。座薬/軟膏は医師の指示で。弾性ストッキング。 |
出血/痛み持続
激痛/腫脹急増
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温め過ぎ注意。外科/婦人科に相談可能。 |
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肩こり/首こり | 在宅ワークで肩が板のように。頭痛の引き金にもなりました。 |
モニタ高さ調整、タイマーで休憩。温罨法/軽い体操。肩に負担の少ない抱き枕で寝姿勢改善。 |
セルフケア
痺れ/頭痛持続
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整体は妊婦対応か確認。強揉みは避ける。 |
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手のしびれ | 朝起きると親指〜中指がピリピリ。瓶のフタが開けにくい日がありました。 |
就寝時の手首サポーター、姿勢調整。むくみ対策と併用。重いものの持ち過ぎ注意。 |
軽度は経過観察
日常支障
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手根管症候群様の症状。産後改善することも。 |
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お腹の張り感(軽度) | 夕方になるとお腹が硬くなる時間があり、横になると落ち着く程度でした。 |
水分補給、休息、作業を中断して深呼吸。規則的・痛みを伴う場合は受診。 |
頻回/痛み伴う
規則的で増悪
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早産兆候との見分けが難しいときは早めに相談。 |
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妊婦さんの日常のマイナートラブル体験談と工夫(体験談)

マイナートラブルは自分だけが悩んでいるわけじゃないと知れば、それだけでも心の支えになるわね。
【症状】別医師の解説と解決法

1.つわり

「妊娠8週目くらいから、朝起きると気持ち悪くて何も食べられない日がありました。特に匂いに敏感になって、夫の使っている整髪料の香りで吐きそうになったことも…」(30歳・初産)
つわりは妊娠初期(6~12週頃)に多く見られ、ホルモンの変化が主な原因です。個人差が大きく、軽い方から重い方までさまざまです。以下は、つわりを和らげるためのポイントです。
- 少量頻回の食事:空腹時に吐き気が強くなることがあります。クラッカーやおにぎりなど、消化の良いものを少しずつ食べましょう。
- 水分補給:脱水を防ぐため、こまめに水やスポーツドリンクを摂取してください。冷たい飲み物やレモン水が飲みやすい場合もあります。
- 匂いを避ける:強い匂いを避け、換気をこまめに行いましょう。パートナーにも香水や整髪料を控えてもらうようお願いするのも一案です。
- ビタミンB6:研究で、ビタミンB6が吐き気を軽減する可能性が示されています。サプリメントを検討する場合は、必ず主治医に相談してください。
つわりがひどく、食事がほとんど摂れない場合は、脱水や栄養不足のリスクがあります。早めに産婦人科を受診してください。
2. 腰痛・骨盤痛

「妊娠7ヶ月頃から腰が重く、骨盤あたりも痛むようになりました。長時間座っていると余計に辛かったです」(29歳・初産)
お腹が大きくなることで重心が変わり、腰や骨盤に負担がかかります。ホルモンの影響で関節や靭帯が緩むことも原因です。
- 正しい姿勢:座るときは背もたれを使い、背筋を伸ばしましょう。長時間の同じ姿勢は避けてください。
- マタニティベルト:お腹を支えるマタニティベルトは、腰や骨盤への負担を軽減します。使い方は助産師や医師に相談してください。
- ストレッチや軽い運動:妊娠中のヨガやストレッチは筋肉をほぐし、痛みを和らげます。専門の指導者のもとで行いましょう。
- 温める:温かいタオルや湯たんぽで腰を温めると、筋肉がリラックスします。ただし、熱すぎないように注意してください。
痛みが強く、日常生活に支障が出る場合は、整形外科や理学療法士の受診を検討してください。
3. むくみ

「妊娠後期になると、夕方には足がパンパンに!靴が履けなくなるほどむくんで、仕事の後に辛かったです」(34歳・初産)
妊娠中は血液量が増え、子宮が血管を圧迫することで、足や手にむくみが出やすくなります。以下はむくみ対策のポイントです。
- 足を上げる:座っているときや寝るときに、足をクッションで少し高くすると血流が改善します。
- 着圧ソックス:妊娠用の着圧ソックスは、むくみを軽減するのに役立ちます。適切なサイズを選び、医師に相談して使いましょう。
- 塩分控えめ:過剰な塩分はむくみを悪化させます。加工食品やスナックを控え、バランスの良い食事を心がけてください。
- 適度な運動:ウォーキングや水中運動は血流を促進し、むくみを軽減します。
むくみが急激に増えたり、顔や手のむくみが強い場合は、妊娠高血圧症候群の可能性があります。すぐに受診してください。
4.こむら返り

「夜中に突然ふくらはぎがつって、激痛で目が覚めました。妊娠後期になってから頻繁に起こるようになりました」(32歳・初産)
こむら返りは、電解質(特にマグネシウムやカルシウム)のバランスの変化や血流の低下が原因と考えられます。
- ストレッチ:寝る前にふくらはぎの軽いストレッチを行いましょう。つったときは、足首をゆっくり曲げて筋肉を伸ばしてください。
- マグネシウム・カルシウム:バナナやナッツ、乳製品など、これらの栄養素を含む食品を意識して摂りましょう。サプリメントは医師に相談してください。
- 水分補給:脱水も原因の一つです。十分な水分を摂りましょう。
- 温める:入浴や温かいタオルで足を温めると、筋肉がリラックスします。
頻度が多い場合や痛みが強い場合は、電解質異常の可能性もあるため、受診して血液検査を検討してください。
5. 便秘

「妊娠中期に入ってから便秘がひどくなり、3~4日出ないことも。トイレで力むのが怖くて、ストレスになっていました」(28歳・経産婦)
妊娠中は、ホルモンの影響で腸の動きが低下し、便秘になりやすくなります。また、子宮が大きくなることで腸が圧迫されることも原因です。
- 食物繊維を意識:野菜、果物(特にプルーンやキウイ)、全粒穀物を積極的に摂りましょう。食物繊維は便を柔らかくし、排便を促します。
- 水分をたっぷり:1日1.5~2リットルの水分を目標に。温かい飲み物が腸を刺激する場合もあります。
- 軽い運動:ウォーキングや妊娠中のヨガなど、適度な運動が腸の動きを助けます。運動を始める前は主治医に確認してください。
- 下剤の使用:便秘が続く場合は、医師が安全な下剤(例:ラクツロース)を処方することがあります。自己判断で市販薬を使わないでください。
便秘は痔の原因にもなるため、長期間我慢せず、早めに相談してください。
6.胸やけ・逆流

「妊娠中期から食後に胸やけがひどく、夜寝る前に胃がムカムカしてつらかったです」(30歳・初産)
妊娠中はホルモンの影響で胃の動きが遅くなり、子宮が胃を圧迫することで胸やけや逆流が起こりやすくなります。
- 少量頻回の食事:一度にたくさん食べると症状が悪化します。小分けにして食べましょう。
- 食後の姿勢:食後すぐに横にならず、2~3時間は上体を起こしてください。
- 刺激物を避ける:辛いもの、油っぽいもの、カフェイン、酸っぱいものは避けましょう。
- 医師に相談:制酸剤(例:炭酸カルシウム)は妊娠中でも安全な場合がありますが、必ず医師に確認してください。
胸やけがひどく、食事に影響する場合は、消化器科の受診を検討してください。
7. 貧血

「妊娠中期に検診で貧血と言われました。立ちくらみや疲れやすさがひどく、階段を上るのも一苦労でした」(27歳・初産)
妊娠中は血液量が増えるため、鉄欠乏性貧血が起こりやすくなります。貧血は疲労感やめまいを引き起こすことがあります。
- 鉄分豊富な食事:レバー、赤身肉、ほうれん草、ひじきなどを積極的に摂りましょう。ビタミンC(オレンジなど)と一緒に摂ると鉄の吸収が良くなります。
- 鉄剤の服用:医師が鉄剤を処方する場合があります。便秘や吐き気の副作用が出ることもあるので、気になる場合は相談してください。
- 十分な休息:貧血時は無理をせず、休息を優先してください。
貧血が疑われる場合、定期検診で血液検査を行います。症状が強いときは早めに受診してください。
8.かゆみ・肌トラブル

「お腹や太ももが妊娠後期にかゆくて、掻くと赤くなりました。ニキビも増えて、肌トラブルが気になりました」(33歳・初産)
皮膚が伸びることやホルモンの影響で、乾燥やかゆみ、ニキビなどの肌トラブルが起こることがあります。
- 保湿:無香料の低刺激なクリームやローションをこまめに塗りましょう。セラミド配合のものがおすすめです。
- 掻かない:掻くと皮膚が傷つき、悪化することがあります。冷やしたタオルで冷やすと楽になる場合があります。
- ゆったりした服:通気性の良い綿素材の服を選び、皮膚への刺激を減らしましょう。
- スキンケア:ニキビには、妊娠中でも安全なサリチル酸を含まない洗顔料を使用してください。皮膚科医に相談するのも良いでしょう。
かゆみが全身に広がる、黄疸を伴う場合は、肝臓の問題(妊娠性胆汁うっ滞症)の可能性があるため、早急に受診してください。
9. おりもの増加

「妊娠してからおりものが増えて、下着がすぐ汚れるので不安でした。ニオイもないけど、正常なのか心配で…」(26歳・初産)
妊娠中はホルモンの影響でおりものが増えるのは正常です。ただし、異常な臭いや色、かゆみを伴う場合は注意が必要です。
- 清潔を保つ:通気性の良い綿の下着を使い、こまめに交換しましょう。洗いすぎは逆効果なので、刺激の少ない石鹸で優しく洗ってください。
- パンティライナー:吸収力のあるライナーを使うと快適です。香料付きは避けてください。
- 観察:おりものが緑色、悪臭、血が混じる場合は感染症の可能性があります。すぐに受診してください。
おりものの変化は正常な場合が多いですが、異常を感じたら遠慮せず医師に相談してください。
10.睡眠の質低下

「妊娠後期になると、お腹が大きくて寝る姿勢が定まらず、夜中に何度も目が覚めました。疲れが取れなくてつらかったです」(31歳・経産婦)
お腹の大きさやホルモンの影響、頻尿などで睡眠の質が低下することがあります。
- 左側臥位:左側を下にして寝ると、血流が改善し、胎児への血流も良くなります。抱き枕を使うと楽な場合があります。
- リラックス習慣:寝る前にカフェインを避け、軽いストレッチや深呼吸でリラックスしましょう。
- 睡眠環境:部屋を暗く、静かに保ち、快適な温度(18~22℃)に設定してください。
- 昼間の活動:適度な運動は夜の睡眠を改善します。過度な昼寝は避けましょう。
睡眠不足が続く場合は、ストレスや他の健康問題の可能性もあるため、医師に相談してください。
11.頻尿・尿漏れ

「妊娠後期になると、トイレが近くなり、夜中に何度も起きるのが大変でした。くしゃみで少し漏れることも…」(32歳・経産婦)
子宮が膀胱を圧迫することで、頻尿や尿漏れが起こりやすくなります。
- 水分を適切に:頻尿でも脱水を防ぐため、十分な水分を摂りましょう。夜中の頻尿を減らすため、夕方以降は水分を控えめに。
- 骨盤底筋トレーニング:ケーゲル体操で骨盤底筋を鍛えると、尿漏れが改善することがあります。助産師に指導を受けましょう。
- トイレの習慣:決まった時間にトイレに行く習慣をつけると、膀胱が安定する場合があります。
尿漏れがひどい場合や、尿に血が混じる場合は、尿路感染症の可能性もあるため、受診してください。
12.息切れ・動悸

「妊娠後期に階段を上ると息切れがひどく、心臓がドキドキして少し怖かったです」(28歳・初産)
妊娠中は血液量が増え、胎児への酸素供給が増えるため、息切れや動悸を感じることがあります。
- ゆっくり動く:急な動きを避け、ゆっくり階段を上るなど無理のないペースを心がけましょう。
- 休息を優先:疲れたらすぐに休み、深呼吸をしてください。
- 鉄分チェック:貧血が原因の場合もあるため、検診で確認しましょう。
突然の強い動悸や息切れ、胸痛を伴う場合は、心臓や肺の問題の可能性があるため、すぐに受診してください。
13. 立ちくらみ・めまい

「妊娠中期に立ち上がるとクラッとして、倒れそうになったことがありました」(27歳・初産)
血圧の変化や血液量の増加、貧血などが立ちくらみやめまいの原因になります。
- ゆっくり立ち上がる:座った状態や寝た状態から急に立ち上がらないようにしましょう。
- 水分・塩分:脱水や低血圧を防ぐため、適切な水分と塩分を摂取してください。
- 貧血チェック:貧血が原因の場合、鉄剤や食事で改善を目指します。
めまいが頻繁で、意識を失いそうな場合は、妊娠高血圧症候群や他の問題の可能性もあるため、すぐに受診してください。
14.頭痛

「妊娠中期に、時々ズキズキする頭痛がありました。普段飲んでいた頭痛薬が使えないと聞いて、どうしたらいいか悩みました」(29歳・初産)
ホルモンの変化、ストレス、睡眠不足、脱水などが頭痛の原因になります。
- 十分な水分:脱水は頭痛を悪化させます。こまめに水分を摂りましょう。
- 休息とリラックス:暗い部屋で休む、冷やしたタオルを額に当てるなどが効果的です。
- カフェイン:少量のカフェイン(コーヒー1杯程度)は安全ですが、過剰摂取は避けてください。
- 薬の使用:アセトアミノフェンは妊娠中でも比較的安全ですが、必ず医師に相談してください。
突然の激しい頭痛や、視力変化を伴う場合は、妊娠高血圧症候群の可能性もあるため、すぐに受診してください。
15. 鼻づまり・鼻血

「妊娠してから鼻が詰まりやすく、朝起きると鼻血が出ていることもありました」(31歳・初産)
ホルモンの影響で鼻の粘膜が敏感になり、血流が増えることで鼻づまりや鼻血が起こりやすくなります。
- 加湿:部屋を加湿(50~60%)することで、鼻の乾燥を防ぎます。
- 鼻を強くかまない:鼻血が出やすいので、優しく鼻をかみましょう。
- 生理食塩水スプレー:鼻づまりには、薬局で購入できる生理食塩水スプレーが安全です。
鼻血が頻繁で止まりにくい場合や、鼻づまりがひどい場合は、耳鼻科を受診してください。
16. 歯・口内トラブル

「妊娠中に歯ぐきから血が出るようになり、歯磨きが怖かったです」(29歳・初産)
ホルモンの影響で歯ぐきが腫れやすくなり、妊娠性歯肉炎が起こることがあります。
- 丁寧な口腔ケア:柔らかい歯ブラシで優しく磨き、デンタルフロスを使いましょう。
- 定期検診:妊娠中も歯科検診を受け、歯石除去や治療を行いましょう。妊娠中であることを歯科医に伝えてください。
- バランスの良い食事:カルシウムやビタミンCを摂り、歯ぐきの健康を保ちましょう。
歯の痛みや腫れがひどい場合は、早めに歯科医に相談してください。
17. 肩こり・首こり

「妊娠後期にお腹が重くなり、肩や首がガチガチに。デスクワークで余計に辛かったです」(34歳・経産婦)
お腹の重さや姿勢の変化、ホルモンの影響で肩や首がこりやすくなります。
- ストレッチ:肩や首の軽いストレッチを毎日行いましょう。妊娠中のヨガも効果的です。
- 姿勢を意識:背筋を伸ばし、肩を下げてリラックスしてください。
- 温める:温かいタオルやカイロで肩や首を温めると、筋肉がほぐれます。
こりがひどく、頭痛や手のしびれを伴う場合は、神経や関節の問題の可能性もあるため、受診してください。
18. 手のしびれ

「妊娠後期に朝起きると手がしびれていて、物を持つのが少し大変でした」(30歳・初産)
むくみや神経の圧迫(例:手根管症候群)により、手のしびれが起こることがあります。
- 手の運動:手を軽く振ったり、指を動かすストレッチで血流を改善しましょう。
- 手首のサポーター:夜間に手首を固定するサポーターが有効な場合があります。
- むくみ対策:手を高くして休む、着圧手袋を試すのも良いでしょう。
しびれが強く、握力低下を伴う場合は、整形外科や神経内科を受診してください。
19. お腹の張り感(軽度)

「妊娠後期に、お腹がパンパンに張って重い感じが続きました。少し心配になりました」(28歳・初産)
子宮が大きくなることや、消化器の動きが遅くなることで、軽度のお腹の張りを感じることがあります。
- 休息:張りを感じたら、横になって休息してください。左側臥位がおすすめです。
- 食事の工夫:ガスが溜まりやすい豆類や炭酸飲料を控え、少量頻回の食事を心がけましょう。
- 水分補給:便秘が張りを悪化させることがあるため、水分と食物繊維を十分に摂りましょう。
お腹の張りが強く、痛みや出血を伴う場合は、早産や胎盤の問題の可能性もあるため、すぐに受診してください。
20. 痔・静脈瘤

「妊娠後期に痔が出て、座るのもつらい日がありました。足の静脈瘤も目立ってきて、見た目も気になりました」(35歳・経産婦)
子宮の圧迫や血流の変化、便秘による力みが痔や静脈瘤を悪化させます。
- 痔の対策:
- 食物繊維と水分を多めに摂り、便秘を予防しましょう。
- 温かいお風呂(坐浴)で血流を改善し、痛みを和らげます。
- 医師が処方する軟膏や坐薬を使う場合があります。市販薬は避けてください。
- 静脈瘤の対策:
- 着圧ソックスを着用し、血流をサポートします。
- 長時間の立ちっぱなしや座りっぱなしを避け、足をこまめに動かしましょう。
- 足を高くして休むと、血流が改善します。
痔や静脈瘤がひどい場合、産婦人科や専門医(肛門科、血管外科)での治療が必要です。恥ずかしがらずに相談してください。
まとめ

妊娠中は誰にも相談できないマイナーなトラブルが頻発することもあり、他の妊婦さんの体験談は心の支えとして大変価値があります。
ただ、妊娠中の症状や対処法には大きな個人差があり、他の方に効果があった方法が必ずしも全ての妊婦さんに適用できるとは限りませんので、気になる症状があれば、体験談の内容も含めて担当医に相談してください。
セルフケア方法(マッサージ、食事療法、運動など)について、実践前に医療従事者に相談することをお勧めします。
マイナートラブルは自分だけではないと感じることで不安を和らげてくださいね。