こんにちは産婦人科専門医のとんたんです
この記事をご覧になっている方は婦人科のがん検診(頚がん検診)にひっかかって、不安な方だと思います
この記事を読むことでが検診の結果の持つ意味そしてその後の対応を知ることで不安が解消されると思います
まず最初に知ってほしいことは、
目次
がん検診に引っかかった=がん、ではありません。
ここから精査や再検査をしていって、そこからがんかどうかの診断になります
がん検診(細胞診)の結果について
NILM
異常なしです
ASC US
軽度異形性の疑いです
この結果が出た場合
①ハイリスクHPVと言うウィルスがいるかどうかの検査を行い検査が陽性であった場合はコルポスコピー及び病理組織診に進みますHPVが陰性であった場合は1年後に再検査です
②ハイリスクHPVの検査を行わない場合は半年後を目安にがん検診の再検査おこないます
ASCH
高度異形性の疑いです
精密検査としてコルポスコピーと病理組織診を行います
LSIL
軽度異形性です
24歳未満は悪性化リスクが低いため1年後に再検査です
25歳以上は原則精密検査としてコルポスコピーと病理組織診を行います
ただし25歳以上の妊婦さんは妊娠終了後までコルポスコピーと病理組織診を延期できます。
HSIL
高度異形性です
精密検査としてコルポスコピーと病理組織診を行います
SCC
子宮頸がんと考えますが、確定診断は精密検査が必要です
精密検査としてコルポスコピーと病理組織診を行います
AGC,AIS,adenocarcinoma
これらは子宮頚がんでは珍しい型であり、精密検査としてコルポスコピーと病理組織診を行います
検査結果で注意すること
これらの結果の中で注意をしてほしいのはASC Hの評価です。
がん検診の結果の紙は上から順に
ASCUS,ASCH,LSIL,HSIL,SCC
となっています。
しかし、ASCHはHSILを疑うものなので、LSILよりも悪性の可能性が高いので注意してください。
また、最近は自治体によってはがん検診を細胞診とHPV検査の併用で行なっています。
細胞診、 HPV併用検診について
細胞診NILM HPV陰性
異常なしでがんのリスクも低いため、3年後に併用検診で大丈夫です。
(細胞診単独でNILMだと2年後に検診が必要です)
細胞診NILM HPV陽性
細胞診は異常ないですが、リスクがあるために1年後に再検査です。
再検査で
NILM HPV陰性なら3年後に併用検診
NILM HPV陽性なら精密検査
NILM以外ならHPV検査によらず精密検査
です
細胞診ASCUS HPV陰性
1年後に併用検診です
細胞診ASCUS HPV陽性
精密検査が必要です
細胞診がASCH,LSIL, HSIL,SCC
HPV検査によらず精密検査が必要です
がん検診で引っかかったと言ってそれが=生子宮頸がんと言うわけではありません
過度に不安になる必要はないので落ち着いてかかりつけ医で再検査や精密検査等の指示に従ってください